減塩食は「ヘルシー」ではない!
減塩のほうが健康に良い!などという根拠は
医学的には皆無です!武田邦彦氏
減塩の嘘“高血圧説も根拠なく”減塩すべきは化学塩の食塩!自然塩で健康維持!…頻尿、冷え性など改善!
「減塩食」は「ヘルシー」ではない
・・・正しい医療の普及のために
武田邦彦 (中部大学)
「201409131241.mp3」をダウンロード
(この記事の中に書いてありますが、その人の「正常な血圧」より高い場合、病気の原因になることが多いことを前提で読んでください)
医療は厚労省のものでもなく、医師のものでもなく、国民のものです。
だから、医療を進める人は日本人が正しく理解するように、万全の注意を払って発言し、政策を決め、実施しなければなりません。
厚労省や医師は、「インフォームド・コンセント」という非常に矛盾した表現を使いますが、これは「患者さんにできるだけやさしく話して理解を得る」ということですが、その言葉自体が難しい英語で、患者さんがわからないという奇妙なことになっています。
やさしく、「納得できる説明」と言えばよいのに、英語のほうがやはり「知識を独占できて、相手を煙に巻く」ことができると考えているのでしょう。
ところで、最近、やたらと「健康法」が出てきますが、その一つに「減塩食」というのがあり、
多くの日本人は「減塩食は健康によい」と錯覚しています。
人間はある一定量の塩を採るのは大切で、「減塩のほうが健康に良い」などという根拠は、医学的には皆無です。
それでは、どういう表現が正しいのでしょうか?
血圧(ここから血圧と言えば、最高血圧、あるいは収縮時血圧を指します)は、全身に血を送るためにどうしても必要なもので、
「血圧が低い方が良い」などということはありません。また、人によって背の高さ、血流の量、血管の太さなどで「最適な血圧」は変化します。
血圧は体内の複雑なしくみで、その人の「最適な血圧」になっていて、
それが人によっては100以下の場合もありますし、120から160ぐらいが最も多く、それ以上の人もいます。
少し前まで、厚労省は「血圧が130以上の人は異常で、降圧剤の処方をする。120以下が望ましい」という荒唐無稽な指標を決めていて、
多くの良心的な医師はしぶしぶそれに従っていました。
しかし、2014年(今年)になって日本ドック学会が「150以下が良い」という新しい指標をだし、今、混乱しています。
正しい医学、生理学にもとづくと、次のように説明できます。
一人ひとりには、その人によって、また年齢などによって、「その年齢の時の最適血圧」というのがあります。
たとえばとても健康な45歳の男性で、寝ている時には130、午前中は140、午後2時ごろ測ると150、そして医師のところで午後に測定すると155(白衣血圧)などです。
この血圧は、「その人が正常に体がコントロールしている血圧」ですから、この血圧を「異常」と言うことはできません。
その人がたまたま別の病気で午後2時ごろ、医師のところに行き、測定したら155でしたので、医師が「少し血圧が高いですね。減塩食にしてください」と言ったとします。
もともとその人の血圧は午後の2時に医師の前で測定した時なら155が適当で、体は正常だったとします。
しかし、「一律に血圧を決める」という医学に悖ることを医師が言うので、間違って、その日から「減塩食」を食べたとしますと、
体に必要なお塩が不足して血圧が下がり、気分が悪くなる、疲れやすくなる、風邪をひきやすくなる、立ちくらみがするなどの症状が出るでしょう。
つまり、この場合の「減塩食」というのは、「ヘルシー」どころか、「病気を作るための食事」で、
医師はその男性が次に病院に来るのが楽しみなのでしょう。もちろん、正しいのは次のようにすることです。
a.医師はその人の「正しい血圧」を決定する、
b.測定した血圧が「正しい血圧」より高い場合は、減塩食はヘルシーになる、
c.測定された血圧がたとえ180でも、それが正常なその人の血圧ならそのままの生活
つまり、「減塩食がヘルシー」なのではなく、「血圧を正常に保つ食事がヘルシー」なのです。
私はいつも思うのですが、医師は「正常な血圧」を知らないで、よく人に減塩食などを勧めるなと驚いてしまいます。
もちろん、良心的な医師でも現在の医学では「測定して正常血圧を決める」ということができませんので、
その人の全身状態、血圧と関係ある諸症状などを総合的に考えて、正しい忠告をしてくれるでしょう。
でも、厚労省、日本高血圧学会、そして患者さんが多い医師などは、一人一人の健康などはあまり興味がなく、
「日本人全体で高血圧の病気を減らせばよい」ぐらいしか考えていないし、
製薬会社からの便宜も払ってもらっているので、時には降圧剤を処方して、患者が具合が悪くなっても平気ということもあります。
いずれにしても、「減塩食」が「ヘルシー」なのではなく、「正常血圧」に保つことが大切で、最近のように血圧計がどこでもあって安価でもあり、
測定も簡単なので、医師は「血圧によって食事の塩分を少し調整してください」と言うべきですし、
栄養学の人は「減塩食はヘルシーだ」などと言うべきではありません。
まして「減塩食」というと売れるというのでは人の健康をダシにして儲ける商人と言うことになります。
血圧に関してはまだまだ整理が必要ですが、先日、長野県が塩分の量が多い(平均一日13グラム程度に言われる)のに、
男性は日本一長寿の理由として、テレビである医師が「減塩食の効果」と言っていました。
医師がこのような発言をするので、さらに誤解が広がるのですが、医師なら「長野県の人の血圧が、
正常値から**離れていたのが、**に小さくなったので、寿命が**年伸びた。血圧が正常値に近づいたのは、
**が原因していると考えられる」ぐらいのことは言わないと、いけません。
もしこのコメントを聞いて、もともと正常な血圧の人(この人がテレビを見ている人の大半)が減塩食にして、
病気になるということですから、専門家がいい加減なことを言う罪は深いのです。
2014年、血圧の基準(もともと基準自体は政策としては意味があるが、個人としては意味がないが)が
「120以下が望ましい」から「150程度」に代わり、コレステロールは「少ない方が良い」から「よほど高くなければ下げてはいけない」に変わった。
これまでの医師の指導がいかにいい加減であったかがわかる。
医療はあくまでも個人を対象とすべきで、個人が改善されたからその結果として平均値が良くなったというのは良いけれど、
個人を切り捨てて、平均値だけを改善するという今の厚労省の考え方は私は間違っていると思う。
(平成26年9月13日)
武田邦彦
(C)武田邦彦 (中部大学) 引用はご自由にどうぞ
武田邦彦様より
http://takedanet.com/2014/09/post_7394.html
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・・・正しい医療の普及のために
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(この記事の中に書いてありますが、その人の「正常な血圧」より高い場合、病気の原因になることが多いことを前提で読んでください)
医療は厚労省のものでもなく、医師のものでもなく、国民のものです。
だから、医療を進める人は日本人が正しく理解するように、万全の注意を払って発言し、政策を決め、実施しなければなりません。
厚労省や医師は、「インフォームド・コンセント」という非常に矛盾した表現を使いますが、これは「患者さんにできるだけやさしく話して理解を得る」ということですが、その言葉自体が難しい英語で、患者さんがわからないという奇妙なことになっています。
やさしく、「納得できる説明」と言えばよいのに、英語のほうがやはり「知識を独占できて、相手を煙に巻く」ことができると考えているのでしょう。
ところで、最近、やたらと「健康法」が出てきますが、その一つに「減塩食」というのがあり、
多くの日本人は「減塩食は健康によい」と錯覚しています。
人間はある一定量の塩を採るのは大切で、「減塩のほうが健康に良い」などという根拠は、医学的には皆無です。
それでは、どういう表現が正しいのでしょうか?
血圧(ここから血圧と言えば、最高血圧、あるいは収縮時血圧を指します)は、全身に血を送るためにどうしても必要なもので、
「血圧が低い方が良い」などということはありません。また、人によって背の高さ、血流の量、血管の太さなどで「最適な血圧」は変化します。
血圧は体内の複雑なしくみで、その人の「最適な血圧」になっていて、
それが人によっては100以下の場合もありますし、120から160ぐらいが最も多く、それ以上の人もいます。
少し前まで、厚労省は「血圧が130以上の人は異常で、降圧剤の処方をする。120以下が望ましい」という荒唐無稽な指標を決めていて、
多くの良心的な医師はしぶしぶそれに従っていました。
しかし、2014年(今年)になって日本ドック学会が「150以下が良い」という新しい指標をだし、今、混乱しています。
正しい医学、生理学にもとづくと、次のように説明できます。
一人ひとりには、その人によって、また年齢などによって、「その年齢の時の最適血圧」というのがあります。
たとえばとても健康な45歳の男性で、寝ている時には130、午前中は140、午後2時ごろ測ると150、そして医師のところで午後に測定すると155(白衣血圧)などです。
この血圧は、「その人が正常に体がコントロールしている血圧」ですから、この血圧を「異常」と言うことはできません。
その人がたまたま別の病気で午後2時ごろ、医師のところに行き、測定したら155でしたので、医師が「少し血圧が高いですね。減塩食にしてください」と言ったとします。
もともとその人の血圧は午後の2時に医師の前で測定した時なら155が適当で、体は正常だったとします。
しかし、「一律に血圧を決める」という医学に悖ることを医師が言うので、間違って、その日から「減塩食」を食べたとしますと、
体に必要なお塩が不足して血圧が下がり、気分が悪くなる、疲れやすくなる、風邪をひきやすくなる、立ちくらみがするなどの症状が出るでしょう。
つまり、この場合の「減塩食」というのは、「ヘルシー」どころか、「病気を作るための食事」で、
医師はその男性が次に病院に来るのが楽しみなのでしょう。もちろん、正しいのは次のようにすることです。
a.医師はその人の「正しい血圧」を決定する、
b.測定した血圧が「正しい血圧」より高い場合は、減塩食はヘルシーになる、
c.測定された血圧がたとえ180でも、それが正常なその人の血圧ならそのままの生活
つまり、「減塩食がヘルシー」なのではなく、「血圧を正常に保つ食事がヘルシー」なのです。
私はいつも思うのですが、医師は「正常な血圧」を知らないで、よく人に減塩食などを勧めるなと驚いてしまいます。
もちろん、良心的な医師でも現在の医学では「測定して正常血圧を決める」ということができませんので、
その人の全身状態、血圧と関係ある諸症状などを総合的に考えて、正しい忠告をしてくれるでしょう。
でも、厚労省、日本高血圧学会、そして患者さんが多い医師などは、一人一人の健康などはあまり興味がなく、
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いずれにしても、「減塩食」が「ヘルシー」なのではなく、「正常血圧」に保つことが大切で、最近のように血圧計がどこでもあって安価でもあり、
測定も簡単なので、医師は「血圧によって食事の塩分を少し調整してください」と言うべきですし、
栄養学の人は「減塩食はヘルシーだ」などと言うべきではありません。
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血圧に関してはまだまだ整理が必要ですが、先日、長野県が塩分の量が多い(平均一日13グラム程度に言われる)のに、
男性は日本一長寿の理由として、テレビである医師が「減塩食の効果」と言っていました。
医師がこのような発言をするので、さらに誤解が広がるのですが、医師なら「長野県の人の血圧が、
正常値から**離れていたのが、**に小さくなったので、寿命が**年伸びた。血圧が正常値に近づいたのは、
**が原因していると考えられる」ぐらいのことは言わないと、いけません。
もしこのコメントを聞いて、もともと正常な血圧の人(この人がテレビを見ている人の大半)が減塩食にして、
病気になるということですから、専門家がいい加減なことを言う罪は深いのです。
2014年、血圧の基準(もともと基準自体は政策としては意味があるが、個人としては意味がないが)が
「120以下が望ましい」から「150程度」に代わり、コレステロールは「少ない方が良い」から「よほど高くなければ下げてはいけない」に変わった。
これまでの医師の指導がいかにいい加減であったかがわかる。
医療はあくまでも個人を対象とすべきで、個人が改善されたからその結果として平均値が良くなったというのは良いけれど、
個人を切り捨てて、平均値だけを改善するという今の厚労省の考え方は私は間違っていると思う。
(平成26年9月13日)
武田邦彦
(C)武田邦彦 (中部大学) 引用はご自由にどうぞ
武田邦彦様より
http://takedanet.com/2014/09/post_7394.html
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