驚愕スクープ! 関電高浜「町長暗殺指令」
日本でこんな恐ろしい犯罪が起きていた!
週刊現代
http://www.gns.ne.jp/eng/g-ken/igiari/obj_335.htm
Amazon.co.jp: 関西電力「反原発町長」暗殺指令: 斉藤 真: 本
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<驚愕スクープ>関電高浜「町長暗殺指令」
週刊現代(2008年3月29日と4月5日号)
関西電力・高浜原発「町長暗殺指令」
<週刊現代(2008年3月29日号)から本文転載>
プルサーマル計画が進行していた福井県高浜町。
反対派のシュプレヒコール で緊張が高まる中、「あの町長さえおらんかったら」と口にしたのは「原発の最高責任者」を自任する男だった--「これは特殊任務や。あいつだけは 絶対に許せん。あいつがおったら高浜原発はやがてなくなってしまうかもし れん。そやから、あんたらで、町長を殺ってくれんか」と指令が飛んだ
=========
斉藤 寅
さいとう・しん/ジャーナリスト。週刊 誌記者を経て、フリーランスに。著書に「世田谷一家殺人事件 侵入者たちの告白」がある
=========
日本でこんな恐ろしい犯罪が起きていた
◆きっかけはプルサーマル計画だった
「天下の関電(関西電力)の幹部から、ワシらが請け負わされた仕事は、 〝町長暗殺″でした。冗談ではありません。実際、その〝任務″を果たすた
めに町長を何日も寝ずに追いかけ回したこともあるんです・・・」
こう語るのは、関西電力(以下、関電)が保有する高浜原子力発電所(以 下、高浜原発)の警備を’99年から約8年間請け負っていた『ダイニチ』
の役員、矢竹雄兒(ゆうじ)氏(53歳)である。
彼が〝暗殺″を命じられた「町長」とは、高浜原発がある福井県大飯(お おい)郡高浜町の今井理一(りいち)町長(75歳)のこと。今井氏は今も
高浜町長を務める現職(3期目)で、福井県の町村会長も務めている。
にわかには信じられない話だが、矢竹氏は、市民生活のライフラインを担 う電力会社の幹部から「自治体の首長を殺せ」と命じられたと告発するのだ。そして、『ダイニチ』社長の加藤義孝氏(58歳)も口を揃える。
関電の誰が、どのような理由でそんな〝仕事″の発注をしたのか--。
*
事の始まりは、9年前に溯る。99年夏、関電は日本初の事業計画に全社 を挙げて、取り組んでいた。それは、プルサーマル発電計画である。
プルサーマル発電とは、通常の原子力発電とは違い、燃料を繰り返し再利用する方法のことだ。欧米などではすでに実用化されている発電方法だが、
日本ではいまだに試験段階で実行には至っていない。
関電は美浜(みはま)原発(3基)、大飯原発(4基)、高浜原発(4基)の3原発を保有している。新年、関電はその高浜原発の3号磯と4号横でプ
ルサーマル計画を実行に移す了承を閣議決定で得た。実行予定は99年12月。
そんななか、プルサーマル計画実現に向けて、関電は「原発内の警備」という重大な問題に直面した。当時の状況を関電OBがこう説明する。
「ただでさえ日本では原発アレルギーが強い。そのうえ、放射能漏れなどへの不安を『グリーンピース』のような環境保護団体が煽(あお)る。それは全国どこの原発においても同じです。そのうえ、プルサーマル計画は、本来ウラン燃料だけを使用するはずの原発(軽水炉)で、ウランとプルトニウムを混合した燃料を使用することから、安全性が不安視されていました。そういうなかで、日本初となるプルサーマル計画を行うのですから、原発反対派が先鋭的になることが予想された。そんな反対派に対する警備の仕組みを 作り上げることが、急務だったのです」
実行日が迫るにつれて、地元・高浜町では次第に緊張が高まってきた。
そのとき、あるアイデアが関電から出された。提案したのは、当時の高浜原発副所長・K氏である。
K氏は同志社大学を卒業後、73年関電に入社。本社の資材課を皮切りに キャリアをスタートした。90年代後半に高浜原発に赴任し、同原発の副長に就任する。関電では通常、原発の所長は技術者が就任する。つまり、副 所長職に就いたK氏は、事実上、事務方のトップというわけだ。
◆高浜原発の警備犬を利用して・・・
そのK氏が、高浜原発の警備に訓練された犬を活用しようと提案した。警備を業者に委託することになり、白羽の矢が立てられたのが、前出の「ダイ
ニチ」だった。
「ダイニチ」は、元々加藤氏が立ち上げた建築会社だ。加藤氏はこの警備事業を行う前からK氏とは知己の間柄でK氏は警備事業を始めるにあたって
加藤氏を頼ったのだ。
「ダイニチ」は犬の訓練士やブリーダーを役員に迎え、建築会社から警備犬供給会社に業態を変えた。冒頭の矢竹氏は、そのために呼ばれたブリーダーである。矢竹氏が当時の意気込みをこう語る。
「原発の警備といったら、子供にも胸を張って自慢できる仕事じゃないですか。大袈裟じゃなく、一生懸けてもええ、というくらいの気持ちで取り組
みました」
加藤氏もまた、使命感を持って仕事に臨んだ。
「天下の関電の仕事を請け負う。それも、原子力発電という国家的事業に直接関わる仕事をする。そりゃもう震える思いでした。当たり前ですよね、
原発の警備なんて仕事、滅多に請け負えるもんやないですから」
二人の気負いも当然だろう。プルサーマル計画のみならず、原発内を犬で警備するという業務も日本初のケースだったのである。
関電もまたこの警備事業に力を入れていたと見える。当時、『警備犬の訓練』というタイトルのビデオまで制作し(写真右)、PRに余念がなかった。
このようにして、高浜原発内の訓練犬による警備は、シェパード4頭を含む16頭で開始された。プルサーマル実行予定日の約半年前のことである。
日本初のプルサーマル計画実行と、日本初の犬による原発内警備事業に向け、関電と「ダイニチ」は、順風満帆のように見えた。ところが、それが突
然、暗転する--。
99年12月に実行される予定だったプルサーマル計画が予期せぬ事態で中止となったのだ。プルサーマル発電に欠かせない特殊な燃料である「MO
X燃料」は国内では生産されていないため、プルサーマル発電を行っている国から輸入しなければならない。当時、関電は英国の核燃料メーカーから輪
入した。
だが、同社の製造するMOX燃料のデータが改竄(かいざん)されていたことが明らかになったのだ。連日、関電と高浜原発に対するシュプレヒコー
ルが響き、プルサーマル計画は、実行予定だった99年12月に、いったん白紙に戻された。問題のMOX燃料は02年に英国に返却されている。
K氏が高浜原発の副所長という立場でプルサーマル計画の早期再開を実現させれば、役員への出世の通が開ける。だが、関電の威信を懸けて早期再開
に固執するK氏の前に、立ちはだかる人物がいた。高浜町長の今井理一氏である。
今井氏は79年から96年まで高浜町議を務めた後、96年に高浜町長選に立候補して初当選。関電がプルサーマル計画に着手した当時から町長を務
め、計画の当初から町長として同計画の受け入れを表明していた。
だがこのとき、英国の核燃料メーカーのデータ捏造(ねつぞう)に不信感を抱いた今井町長は、プルサーマル計画の見直しを求めた。原発事業は、地元自治体の受け入れ承認が必須である。その自治体の長である者が受け入れを拒否すれば、事業の続行はまずできない。K氏は、次第に今井町長を目の敵(かたき)にするようになったという。
そして、その今井町長が00年4月に再選された。加藤氏が当時の様子をこう回想する。
「この頃から、Kは原発内で顔を合わせばいつも『あの町長さえおらんかったら、すぐにでも(プルサーマル計画を)始められるんやがな』と〝町長
暗殺″を仄(ほの)めかすようになりました。
Kの口癖は、『ワシはここ高浜原発の最高責任者や。そのワシには関電という大きなバックがおるんや』『ワシらを誰やと思うとるねん、関電やでぇ』
でした。実際、高浜原発内では、Kは〝原発の天皇″と言われていましたか
らね」
K氏は関電という権力を背景に、高浜で豪腕を振るうようになっていた。K氏に敵視された、当の今井町長が「彼の横暴は目に余るものだった」と語
る。
「Kが高浜原発の副所長だった00年~01年頃、複数の町議が『関電の仕事がKの息の掛かった町議が経営する会社ばかりに集中している』と訴え
てきたんです。『Kの機嫌を損ねたら(他社には)仕事が入ってこない』と。
特定の業者との癒着を聞いてしまった以上、何らかの対策を打たなければなりません。私は関電本社の上層部に『Kには原発業務に関わる業者の選定な
どについて不透明な点が多々あり、地元行政の長として看過できない。Kを私の目の前から消してくれ』と申し入れました」
関電がこの申し入れに応じたのかは判然としない。だが、その後K氏は高浜原発副所長の職から異動になり、02年7月に高浜、大飯、美浜の3原発
を統括する関電若狭支社の副支社長に栄転した(05年7月、若狭支社は「原子力事業本部」に改称)。
副支社長となった後も、K氏はさらなる出世の道を模索したのか、それとも高浜町における権勢に執着したのか、高浜原発におけるプルサーマル計画
にこだわり続けたという。
MOX燃料データ捏造事件のほとぼりもさめた04年3月、プルサーマル計画はようやく再開されたが、わずか半年で再び暗礁に乗り上げる。04年
8月、美浜原発で蒸気漏れ事故が発生、死者5名を出す大惨事を引き起こしたのだ。今井町長は「原子力発電の信頼は失墜した」と発言し、関電のプル サーマル計画はまたしても白紙撤回された。
◆「これは特殊任務や。町長を殺れ」
この頃からK氏は明確に〝暗殺指令″を下し始めたという。加藤氏が語る。
「若狭支社に異動になったKは、03年に初当選したある(高浜)町議の経営する鉄工所内に仕立てた特別室に頻紫に出入りするようになりました。
Kはそこにワシらを呼び、『これは特殊任務や。あいつだけは絶対に許せん。あいつがおったら高浜原発はやがてはなくなってしまうかもしれん。そやから、あんたらで町長を殺ってくれんか』と深刻な顔で言いだしたのです。今井町長が3選を果たした04年以降、何度も何度もワシらに『町長、はよ(早く)殺れや』と言うようになったのです」
K氏が〝町長暗殺″のために目を付けたのが、高浜原発の警備のために飼育していた猛犬だった。矢竹氏はこう語る。
「犬のトレーナーでもあるワシにこう言いよったんです。『(町長を殺すのに)犬を使えばええやないか!犬はあんたの言うことならなんでも聞くや
ろ。犬で町長、殺ってくれ!』。冗談言うなと思いましたけど、Kは本気やった。また、『そうせんと、これから警備の仕事でけへんなるで。ワシの裁
量ひとつであんたら干すこともできるんやで』とも言いました。そう言われたら、ワシも真剣に考えましたわ・・・」
K氏は、異常な指令を命じるため、加藤氏や矢竹氏にこのような圧力をかけたという。
「犬の警備事業を他の原発にも順次拡大させていく、という条件を出してきたのです。彼はそれを『水平展開』と言っていました。その言葉を切り札
のように使って、ワシらに町長を殺させるよう煽(あお)ってきたんです」
(加藤氏)
高浜原発の警備犬事業を、大飯や美浜にある原発にも広げるとK氏は提案したのである。そして「町長を殺さなければ『水平展開』はない」と脅(お
ど)したのだった。矢竹氏はこの言葉を真に受けてしまう。
「何度も何度も『殺せ』と言われて、今から考えると、『自分でも頭がおかしくなってたんやな』と思います。本当にやらねば、と思うようになって
いったんです。本気で町長殺ったろうと。そんだけ、気持ちが追い込まれとったんです。そんで『犬を使うなんてまどろっこしい。ワシがやれば、一番
早い』と思って、数日間、町長つけ回したこともありました。町長が行きそうな飲み屋の前で待っていたこともあります。幸いなことに、町長と鉢合わ
せする機会がなくて、未遂に終わりましたが、あまりのストレスで頭にはハゲができ、家庭も不仲になってしまいました・・・」
◆今井町長も知っていた〝暗殺指令〟
高浜原発の実力者として特定業者と癒着の疑いがあるばかりか、業務の定着と拡大という〝ニンジン″を鼻先にぶら下げて、〝暗殺指令″を下したK 氏。その背後には関電という巨大組織の影が見え隠れする。加藤氏は、関電の責任についてこう言及する。
「K一個人の話なら、われわれは聞く耳すら持ちませんでした。しかし、Kは高浜原発の事務方のトップです。高浜原発で仕事をする人間にとって、彼の言葉を関電の言葉と考えてもおかしくはありません。この〝暗殺指令〟に関電首脳部の関与があったのか、そうでないとしても、一社員の暴走を許した関電の責任はあまりに重い」
関電は雇用者としての責任をどう考えているのか。同社は本誌の取材にこう答えた。
「(〝暗殺″を)指示したのか確認したところ、本人(K氏)は否定しました。当時の上司と部下にも確認しましたが、誰も認識していません」(広
報室報道グループ・島田佳明報道課長)
K氏が否定し周囲も認識していないから、社の見解としても、〝暗殺指令″はなかったと言いたいのだろう。
ところが、〝暗殺″の対象になった今井町長でさえも、驚くべきことに自分を標的にした〝暗殺指令″を認識しているという。
「私にシェパードをけしかけて、喉元を食いちぎらせようとする動きがあったことは、知っています。それが関電の原発事業にからんでいたことも。
ある(高浜)町議の経営する鉄工所の密室で行われた〝謀議″に参加した、別の(高浜)町議からそれを聞きました。どのような理由があって私を殺そうとしたのか、真意はわかりませんが、私は今、町長として行政を取り仕切っていくことのみを考えています」
「実行者」も「標的」も認める〝暗殺指令″--。常識的に考えれば、そのような言動を行った社長は会社をクビになるのが当然だろう。しかし、K
氏は06年12月に関電の100%子会社に出向になり、昨年3月に関電を退職したものの、現在も出向先だった子会社の部長職を務めている。
3月10日、同社に取材を申し込んだが、3月12日現在、K氏はいっさい取材を受けようとしない。
結局、高浜原発の警備犬事業は07年4月をもって契約終了となった。加藤氏は、今回この告発に踏み切った動機を改めてこう語る。
「ワシらはこの警備事業に命を懸けていました。それを『もういらん』とばかりに、まるで鼻をかみ終わったあとのちり紙のように、ゴミ箱に捨てた。
こんなこと、いくら天下の関電でも許されるはずがありません。しかし、今になっても関電は一つも誠実な態度を示さない。だから、ワシらは名前も身分も明かして告発することにしたんです」
今年1月30日、西川一誠(いっせい)福井県知事は森詳介(しょうすけ)関電社長の訪問を受け、プルサーマル計画の準備再開を了承した。同社は、2010年の実現を目指すという。
だが、〝町長暗殺″という恐るべき行為を指示した幹部の在籍していた関電に、その資格はあるのか。次号ではさらに、K氏の〝犯罪〝を庇(かば)
う関電の欺瞞(ぎまん)を暴いていく。
■関電執行役員も”暗殺計画”の存在を認めた!
「実行者」が決意の実名告発
「町長を殺れ」--。”高浜原発の天皇”の命令に追い込まれて、下請け業者は仕方なく木刀を手に取った・・・。関電は”暗殺指令”を否定するが、事実はどうか。06年7月、下請け業者は関電側に直談判を行い、その席で関電側から驚愕の発言が飛び出していた--。ジャーナリスト 斉藤 寅
◆「木刀を車の助手席に置き町長を探した」
「あんただけに頼むことや。町長、殺(や)ってくれや、あんたの得意な犬を使って。成功したら、事業の展開は約束する--」
00年初夏、福井県大飯(おおい)郡高浜町にある、国道27号線沿いの飲食店でのことだ。その場で、関西電力(以下、関電)の高浜原子力発電(以下、高浜原発)のK副所長(当時)は、高浜原発内の犬による警備を請け負っていた『ダイニチ』の役員で、犬のブリーダーでもある矢竹雄宕兒(ゆうじ)氏(53歳)に〝暗殺″を依頼したという。「標的」は、96年から高浜町長を務めている今井理一(りいち)氏(75歳)だった--。
*
本誌は前号で、関電幹部が下請け業者に命じた高浜町長の〝暗殺指令″を報じた。3月20日現在、関電は本誌に対してまともな反論をしていない。
したくてもできないというのが実状だろう。K氏が矢竹氏と『ダイニチ』の社長である加藤義孝氏(58歳)に〝町長暗殺″を命じたという事実を、関
電の執行役員が約2年前から把握していたばかりか、それを揉み消そうとさえしていたというのだから。
事の始まりは99年のことだった。この年、高浜原発では日本初となるプルサーマル発電計画が着々と進行していた。だが同年12月、プルサーマル
発電に欠かせない「MOX燃料」のデータが、製造元である英国の核燃料メーカーによって改竄(かいざん)されていたことが発覚し、計画は頓挫(と
んざ)する。プルサーマル計画の受け入れを了承していた今井町長が、安全性への危惧から、計画実行に慎重な態度をとるようになったのだ。
00年4月、その今井町長が再選されると、高浜原発副所長としてプルサーマル計画の早期再開を目論むK氏は、次第に今井町長を目の敵にするよう
になった。冒頭の〝暗殺指令″があったのは、この頃のことだという。矢竹氏が回想する。
「Kが約束した『(〝町長暗殺〟に)成功したら、〝水平展開″は絶対にやらしたる』という言葉。今から思えば、あれは〝悪魔の囁き〟以外の何物
でもなかった」
プルサーマル計画実行に先駆けて、99年夏から高浜原発内では警備犬による監視が始まっていた。K氏はその犬を使った〝町長暗殺″と引き替えに、
警備犬事業を関電の大飯原発と美浜(みはま)原発へ拡大することを約束し、これを「水平展開」と呼んでいたという。
K氏の「悪魔の囁き」に意を決した矢竹氏は「標的」を求めて高浜町を彷徨(さまよ)った。
「ワシは高浜での町長の動向を調べて、数日間一人で張り込んだんです。ある時は警備の仕事を抜け出して、ある時は仕事が終わった後の明け方に・ ・・。いつも、木刀を車の助手席に置き、すぐに飛び出せるように目を光らせていました。
結局、幸いなことに町長と対面することはありませんでした。もし、誰もいないところで、パッと鉢合わせするようなことがあったら、間違いなく殺
っとったでしょう・・・」
矢竹氏の異変に気付いた加藤氏は、社長の立場から町長の〝暗殺計画″を打ち切らせ、警備犬の仕事から外したという。加藤氏がこう振り返る。
「矢竹をそのまま放っておいたら、ほんまに町長を殺っとったと思います。それほど、事業の拡大に懸命になっていましたからね。
Kは高浜原発内で〝原発の天皇″と呼ばれるほどの実力者で、関電が発注する高浜の仕事は彼が牛耳っていました。Kの言うことを聞けば、事業は拡
大できたかもしれません。しかし、われわれの仕事は警備であって、町長を殺すことではない。首根っこをつかむようにして、矢竹を高浜から引きずり出したんです」
加藤氏の説得でようやく矢竹氏は、木刀から手を離した。ところが、K氏の〝暗殺指令″がこれで終わることはなかった--。
◆テープに録音された執行役員の発言
MOX燃料のデータ改竄事件のほとぼりもさめた04年3月、関電のプルサーマル計画がようやく再開されたが、わずか半年で暗礁に乗り上げる。同年8月、美浜原発で死者5名を出す大事故が起こったのだ。今井町長は再びプルサーマル計画への態度を硬化させ、関電のプルサーマル計画は白紙撤回
された。
この頃、K氏はすでに福井県美浜町にある若狭支社(現『原子力事業本部』、三つの原発を統轄する)の副支社長に昇格していたにもかかわらず、加藤氏に対しても露骨に町長の〝暗殺″を命じるようになったという。前号で報じたとおり、「標的」であった当の今井町長もまた、その〝暗殺計画〟
を認識している。
「実行者」も「標的」もその存在を認める〝暗殺指令″について、関電は、「(〝暗殺〟を)指示したのか確認したところ、K本人は否定しました。
当時の上司と部下にも確認しましたが、誰も認識していません」(広報室報道グループ・島田佳明報道課長)
と回答した。しかし、これは、事実に反する。
関電の執行役員が、K氏による〝町長暗殺計画″を認めていたというのだ。矢竹氏が事の経緯を解鋭する。
「ワシは06年7月中旬に、福井県美浜町にある関電の原子力事業本部を訪ねて、執行役員と面会し、直談判に及びました」
その場に立ち会った関電側の人間は、原子力事業本部に所属する執行役員のA氏と部長2名(写真左下はその名刺)だった。
「A執行役員に、Kの〝暗殺指令〟について、洗いざらいぶちまけたんです。そのうえで、「ワシらの本業である警備犬事業が結局、Kによってまっ
たく違った方向に行ってしまい、尻すぼみになったことを会社として認めて、謝罪して下さい』とお願いしました」
矢竹氏に対する回答があったのは約2週間後。矢竹氏は7月31日に再び原子力事業本部を訪れ、A執行役員ら前出の3名と面会した。ここでのやり取りを矢竹氏はテープに録音している。その一部を再現しよう。
A 事実関係を調査した結果、そのようなこと(K氏による高浜町長〝暗殺計画〟)はあったようです。しかし、それはあくまでK個人がやったこと。
矢竹 Aさん、それは、あなたの考えですか?それとも関電としての答えですか?
A 関電としての答えです。矢竹さん、一つ言っておきますが、この件について、今後K個人とどのような話をしてもらってもええです。しかし、関
電には受付の窓口はありません。
矢竹氏がこう憤る。
「まったく無茶苦茶な論理じゃないですか。Kによる〝暗殺計画〟を事実として認めながらも、会社としてはまるで関係ない、だから会社として謝ら
んと言いよったわけです」
この面談の結果を矢竹氏から聞いた加藤氏も憤りのあまり、直談判に及んだ。
「ワシがA執行役員ら3人に会ったのは、8月7日のことです。しかし、私が聞いても彼らの答えは同じでした。平たくいえば『K個人がやったこ
と』、そう言うだけです。関電として事実関係は認めても、Kの言動について『会社の意向でした』とは口が裂けても言えんのやろうね」
◆関電側が提示した姑息な〝懐柔策〟
それだけではない。その場で関電は加藤氏に、姑息ともいうべき〝懐柔策〟まで提示したというのだ。
「A執行役員は、私にこう言いました。『(関電と)ダイニチさんとは、固い絆で結ばれると信じております。だから、これからも私どもとのお付き合いをお願いしたい。私の部下とこれからのことをなんなりと話し合って下さい』と。Kのことは脇に置いて、警備犬事業はこれからも続けてくれというわけです。それを聞いて、ワシは怒るよりも『この件を暴露されると困るから、懐柔策に出てきよったな』と呆れました。ワシは『御社との仕事は、一切お断りします。警備事業も何もかも全部こちらから止めさせてもらいます』と言いました。結局、関電側は今まで一度も誠意ある態度を示していま
せん」
加藤氏の直談判から約8ヵ月後、K氏は定年を前に関電を退職したものの、現在、関電の100%子会社の部長職に収まっている。本誌は直接取材をみたが、K氏は3月10日から「私用」を理由に会社を休み、いっさい取材を受けようとしない。
そこで、再び関電に問い質したが、
「当社が(Kが〝暗殺〟を指示したと)認めるような発言をするはずがありませんし、そのような事実はありません」(前出島田課長)と答えるのみだった。
K氏を庇(かば)い、〝暗殺指令〟を揉み消そうとさえした関西電力。日本を代表する電力会社として、その責任はあまりに重い。
週刊現代
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◆きっかけはプルサーマル計画だった
「天下の関電(関西電力)の幹部から、ワシらが請け負わされた仕事は、 〝町長暗殺″でした。冗談ではありません。実際、その〝任務″を果たすた
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にわかには信じられない話だが、矢竹氏は、市民生活のライフラインを担 う電力会社の幹部から「自治体の首長を殺せ」と命じられたと告発するのだ。そして、『ダイニチ』社長の加藤義孝氏(58歳)も口を揃える。
関電の誰が、どのような理由でそんな〝仕事″の発注をしたのか--。
*
事の始まりは、9年前に溯る。99年夏、関電は日本初の事業計画に全社 を挙げて、取り組んでいた。それは、プルサーマル発電計画である。
プルサーマル発電とは、通常の原子力発電とは違い、燃料を繰り返し再利用する方法のことだ。欧米などではすでに実用化されている発電方法だが、
日本ではいまだに試験段階で実行には至っていない。
関電は美浜(みはま)原発(3基)、大飯原発(4基)、高浜原発(4基)の3原発を保有している。新年、関電はその高浜原発の3号磯と4号横でプ
ルサーマル計画を実行に移す了承を閣議決定で得た。実行予定は99年12月。
そんななか、プルサーマル計画実現に向けて、関電は「原発内の警備」という重大な問題に直面した。当時の状況を関電OBがこう説明する。
「ただでさえ日本では原発アレルギーが強い。そのうえ、放射能漏れなどへの不安を『グリーンピース』のような環境保護団体が煽(あお)る。それは全国どこの原発においても同じです。そのうえ、プルサーマル計画は、本来ウラン燃料だけを使用するはずの原発(軽水炉)で、ウランとプルトニウムを混合した燃料を使用することから、安全性が不安視されていました。そういうなかで、日本初となるプルサーマル計画を行うのですから、原発反対派が先鋭的になることが予想された。そんな反対派に対する警備の仕組みを 作り上げることが、急務だったのです」
実行日が迫るにつれて、地元・高浜町では次第に緊張が高まってきた。
そのとき、あるアイデアが関電から出された。提案したのは、当時の高浜原発副所長・K氏である。
K氏は同志社大学を卒業後、73年関電に入社。本社の資材課を皮切りに キャリアをスタートした。90年代後半に高浜原発に赴任し、同原発の副長に就任する。関電では通常、原発の所長は技術者が就任する。つまり、副 所長職に就いたK氏は、事実上、事務方のトップというわけだ。
◆高浜原発の警備犬を利用して・・・
そのK氏が、高浜原発の警備に訓練された犬を活用しようと提案した。警備を業者に委託することになり、白羽の矢が立てられたのが、前出の「ダイ
ニチ」だった。
「ダイニチ」は、元々加藤氏が立ち上げた建築会社だ。加藤氏はこの警備事業を行う前からK氏とは知己の間柄でK氏は警備事業を始めるにあたって
加藤氏を頼ったのだ。
「ダイニチ」は犬の訓練士やブリーダーを役員に迎え、建築会社から警備犬供給会社に業態を変えた。冒頭の矢竹氏は、そのために呼ばれたブリーダーである。矢竹氏が当時の意気込みをこう語る。
「原発の警備といったら、子供にも胸を張って自慢できる仕事じゃないですか。大袈裟じゃなく、一生懸けてもええ、というくらいの気持ちで取り組
みました」
加藤氏もまた、使命感を持って仕事に臨んだ。
「天下の関電の仕事を請け負う。それも、原子力発電という国家的事業に直接関わる仕事をする。そりゃもう震える思いでした。当たり前ですよね、
原発の警備なんて仕事、滅多に請け負えるもんやないですから」
二人の気負いも当然だろう。プルサーマル計画のみならず、原発内を犬で警備するという業務も日本初のケースだったのである。
関電もまたこの警備事業に力を入れていたと見える。当時、『警備犬の訓練』というタイトルのビデオまで制作し(写真右)、PRに余念がなかった。
このようにして、高浜原発内の訓練犬による警備は、シェパード4頭を含む16頭で開始された。プルサーマル実行予定日の約半年前のことである。
日本初のプルサーマル計画実行と、日本初の犬による原発内警備事業に向け、関電と「ダイニチ」は、順風満帆のように見えた。ところが、それが突
然、暗転する--。
99年12月に実行される予定だったプルサーマル計画が予期せぬ事態で中止となったのだ。プルサーマル発電に欠かせない特殊な燃料である「MO
X燃料」は国内では生産されていないため、プルサーマル発電を行っている国から輸入しなければならない。当時、関電は英国の核燃料メーカーから輪
入した。
だが、同社の製造するMOX燃料のデータが改竄(かいざん)されていたことが明らかになったのだ。連日、関電と高浜原発に対するシュプレヒコー
ルが響き、プルサーマル計画は、実行予定だった99年12月に、いったん白紙に戻された。問題のMOX燃料は02年に英国に返却されている。
K氏が高浜原発の副所長という立場でプルサーマル計画の早期再開を実現させれば、役員への出世の通が開ける。だが、関電の威信を懸けて早期再開
に固執するK氏の前に、立ちはだかる人物がいた。高浜町長の今井理一氏である。
今井氏は79年から96年まで高浜町議を務めた後、96年に高浜町長選に立候補して初当選。関電がプルサーマル計画に着手した当時から町長を務
め、計画の当初から町長として同計画の受け入れを表明していた。
だがこのとき、英国の核燃料メーカーのデータ捏造(ねつぞう)に不信感を抱いた今井町長は、プルサーマル計画の見直しを求めた。原発事業は、地元自治体の受け入れ承認が必須である。その自治体の長である者が受け入れを拒否すれば、事業の続行はまずできない。K氏は、次第に今井町長を目の敵(かたき)にするようになったという。
そして、その今井町長が00年4月に再選された。加藤氏が当時の様子をこう回想する。
「この頃から、Kは原発内で顔を合わせばいつも『あの町長さえおらんかったら、すぐにでも(プルサーマル計画を)始められるんやがな』と〝町長
暗殺″を仄(ほの)めかすようになりました。
Kの口癖は、『ワシはここ高浜原発の最高責任者や。そのワシには関電という大きなバックがおるんや』『ワシらを誰やと思うとるねん、関電やでぇ』
でした。実際、高浜原発内では、Kは〝原発の天皇″と言われていましたか
らね」
K氏は関電という権力を背景に、高浜で豪腕を振るうようになっていた。K氏に敵視された、当の今井町長が「彼の横暴は目に余るものだった」と語
る。
「Kが高浜原発の副所長だった00年~01年頃、複数の町議が『関電の仕事がKの息の掛かった町議が経営する会社ばかりに集中している』と訴え
てきたんです。『Kの機嫌を損ねたら(他社には)仕事が入ってこない』と。
特定の業者との癒着を聞いてしまった以上、何らかの対策を打たなければなりません。私は関電本社の上層部に『Kには原発業務に関わる業者の選定な
どについて不透明な点が多々あり、地元行政の長として看過できない。Kを私の目の前から消してくれ』と申し入れました」
関電がこの申し入れに応じたのかは判然としない。だが、その後K氏は高浜原発副所長の職から異動になり、02年7月に高浜、大飯、美浜の3原発
を統括する関電若狭支社の副支社長に栄転した(05年7月、若狭支社は「原子力事業本部」に改称)。
副支社長となった後も、K氏はさらなる出世の道を模索したのか、それとも高浜町における権勢に執着したのか、高浜原発におけるプルサーマル計画
にこだわり続けたという。
MOX燃料データ捏造事件のほとぼりもさめた04年3月、プルサーマル計画はようやく再開されたが、わずか半年で再び暗礁に乗り上げる。04年
8月、美浜原発で蒸気漏れ事故が発生、死者5名を出す大惨事を引き起こしたのだ。今井町長は「原子力発電の信頼は失墜した」と発言し、関電のプル サーマル計画はまたしても白紙撤回された。
◆「これは特殊任務や。町長を殺れ」
この頃からK氏は明確に〝暗殺指令″を下し始めたという。加藤氏が語る。
「若狭支社に異動になったKは、03年に初当選したある(高浜)町議の経営する鉄工所内に仕立てた特別室に頻紫に出入りするようになりました。
Kはそこにワシらを呼び、『これは特殊任務や。あいつだけは絶対に許せん。あいつがおったら高浜原発はやがてはなくなってしまうかもしれん。そやから、あんたらで町長を殺ってくれんか』と深刻な顔で言いだしたのです。今井町長が3選を果たした04年以降、何度も何度もワシらに『町長、はよ(早く)殺れや』と言うようになったのです」
K氏が〝町長暗殺″のために目を付けたのが、高浜原発の警備のために飼育していた猛犬だった。矢竹氏はこう語る。
「犬のトレーナーでもあるワシにこう言いよったんです。『(町長を殺すのに)犬を使えばええやないか!犬はあんたの言うことならなんでも聞くや
ろ。犬で町長、殺ってくれ!』。冗談言うなと思いましたけど、Kは本気やった。また、『そうせんと、これから警備の仕事でけへんなるで。ワシの裁
量ひとつであんたら干すこともできるんやで』とも言いました。そう言われたら、ワシも真剣に考えましたわ・・・」
K氏は、異常な指令を命じるため、加藤氏や矢竹氏にこのような圧力をかけたという。
「犬の警備事業を他の原発にも順次拡大させていく、という条件を出してきたのです。彼はそれを『水平展開』と言っていました。その言葉を切り札
のように使って、ワシらに町長を殺させるよう煽(あお)ってきたんです」
(加藤氏)
高浜原発の警備犬事業を、大飯や美浜にある原発にも広げるとK氏は提案したのである。そして「町長を殺さなければ『水平展開』はない」と脅(お
ど)したのだった。矢竹氏はこの言葉を真に受けてしまう。
「何度も何度も『殺せ』と言われて、今から考えると、『自分でも頭がおかしくなってたんやな』と思います。本当にやらねば、と思うようになって
いったんです。本気で町長殺ったろうと。そんだけ、気持ちが追い込まれとったんです。そんで『犬を使うなんてまどろっこしい。ワシがやれば、一番
早い』と思って、数日間、町長つけ回したこともありました。町長が行きそうな飲み屋の前で待っていたこともあります。幸いなことに、町長と鉢合わ
せする機会がなくて、未遂に終わりましたが、あまりのストレスで頭にはハゲができ、家庭も不仲になってしまいました・・・」
◆今井町長も知っていた〝暗殺指令〟
高浜原発の実力者として特定業者と癒着の疑いがあるばかりか、業務の定着と拡大という〝ニンジン″を鼻先にぶら下げて、〝暗殺指令″を下したK 氏。その背後には関電という巨大組織の影が見え隠れする。加藤氏は、関電の責任についてこう言及する。
「K一個人の話なら、われわれは聞く耳すら持ちませんでした。しかし、Kは高浜原発の事務方のトップです。高浜原発で仕事をする人間にとって、彼の言葉を関電の言葉と考えてもおかしくはありません。この〝暗殺指令〟に関電首脳部の関与があったのか、そうでないとしても、一社員の暴走を許した関電の責任はあまりに重い」
関電は雇用者としての責任をどう考えているのか。同社は本誌の取材にこう答えた。
「(〝暗殺″を)指示したのか確認したところ、本人(K氏)は否定しました。当時の上司と部下にも確認しましたが、誰も認識していません」(広
報室報道グループ・島田佳明報道課長)
K氏が否定し周囲も認識していないから、社の見解としても、〝暗殺指令″はなかったと言いたいのだろう。
ところが、〝暗殺″の対象になった今井町長でさえも、驚くべきことに自分を標的にした〝暗殺指令″を認識しているという。
「私にシェパードをけしかけて、喉元を食いちぎらせようとする動きがあったことは、知っています。それが関電の原発事業にからんでいたことも。
ある(高浜)町議の経営する鉄工所の密室で行われた〝謀議″に参加した、別の(高浜)町議からそれを聞きました。どのような理由があって私を殺そうとしたのか、真意はわかりませんが、私は今、町長として行政を取り仕切っていくことのみを考えています」
「実行者」も「標的」も認める〝暗殺指令″--。常識的に考えれば、そのような言動を行った社長は会社をクビになるのが当然だろう。しかし、K
氏は06年12月に関電の100%子会社に出向になり、昨年3月に関電を退職したものの、現在も出向先だった子会社の部長職を務めている。
3月10日、同社に取材を申し込んだが、3月12日現在、K氏はいっさい取材を受けようとしない。
結局、高浜原発の警備犬事業は07年4月をもって契約終了となった。加藤氏は、今回この告発に踏み切った動機を改めてこう語る。
「ワシらはこの警備事業に命を懸けていました。それを『もういらん』とばかりに、まるで鼻をかみ終わったあとのちり紙のように、ゴミ箱に捨てた。
こんなこと、いくら天下の関電でも許されるはずがありません。しかし、今になっても関電は一つも誠実な態度を示さない。だから、ワシらは名前も身分も明かして告発することにしたんです」
今年1月30日、西川一誠(いっせい)福井県知事は森詳介(しょうすけ)関電社長の訪問を受け、プルサーマル計画の準備再開を了承した。同社は、2010年の実現を目指すという。
だが、〝町長暗殺″という恐るべき行為を指示した幹部の在籍していた関電に、その資格はあるのか。次号ではさらに、K氏の〝犯罪〝を庇(かば)
う関電の欺瞞(ぎまん)を暴いていく。
■関電執行役員も”暗殺計画”の存在を認めた!
「実行者」が決意の実名告発
「町長を殺れ」--。”高浜原発の天皇”の命令に追い込まれて、下請け業者は仕方なく木刀を手に取った・・・。関電は”暗殺指令”を否定するが、事実はどうか。06年7月、下請け業者は関電側に直談判を行い、その席で関電側から驚愕の発言が飛び出していた--。ジャーナリスト 斉藤 寅
◆「木刀を車の助手席に置き町長を探した」
「あんただけに頼むことや。町長、殺(や)ってくれや、あんたの得意な犬を使って。成功したら、事業の展開は約束する--」
00年初夏、福井県大飯(おおい)郡高浜町にある、国道27号線沿いの飲食店でのことだ。その場で、関西電力(以下、関電)の高浜原子力発電(以下、高浜原発)のK副所長(当時)は、高浜原発内の犬による警備を請け負っていた『ダイニチ』の役員で、犬のブリーダーでもある矢竹雄宕兒(ゆうじ)氏(53歳)に〝暗殺″を依頼したという。「標的」は、96年から高浜町長を務めている今井理一(りいち)氏(75歳)だった--。
*
本誌は前号で、関電幹部が下請け業者に命じた高浜町長の〝暗殺指令″を報じた。3月20日現在、関電は本誌に対してまともな反論をしていない。
したくてもできないというのが実状だろう。K氏が矢竹氏と『ダイニチ』の社長である加藤義孝氏(58歳)に〝町長暗殺″を命じたという事実を、関
電の執行役員が約2年前から把握していたばかりか、それを揉み消そうとさえしていたというのだから。
事の始まりは99年のことだった。この年、高浜原発では日本初となるプルサーマル発電計画が着々と進行していた。だが同年12月、プルサーマル
発電に欠かせない「MOX燃料」のデータが、製造元である英国の核燃料メーカーによって改竄(かいざん)されていたことが発覚し、計画は頓挫(と
んざ)する。プルサーマル計画の受け入れを了承していた今井町長が、安全性への危惧から、計画実行に慎重な態度をとるようになったのだ。
00年4月、その今井町長が再選されると、高浜原発副所長としてプルサーマル計画の早期再開を目論むK氏は、次第に今井町長を目の敵にするよう
になった。冒頭の〝暗殺指令″があったのは、この頃のことだという。矢竹氏が回想する。
「Kが約束した『(〝町長暗殺〟に)成功したら、〝水平展開″は絶対にやらしたる』という言葉。今から思えば、あれは〝悪魔の囁き〟以外の何物
でもなかった」
プルサーマル計画実行に先駆けて、99年夏から高浜原発内では警備犬による監視が始まっていた。K氏はその犬を使った〝町長暗殺″と引き替えに、
警備犬事業を関電の大飯原発と美浜(みはま)原発へ拡大することを約束し、これを「水平展開」と呼んでいたという。
K氏の「悪魔の囁き」に意を決した矢竹氏は「標的」を求めて高浜町を彷徨(さまよ)った。
「ワシは高浜での町長の動向を調べて、数日間一人で張り込んだんです。ある時は警備の仕事を抜け出して、ある時は仕事が終わった後の明け方に・ ・・。いつも、木刀を車の助手席に置き、すぐに飛び出せるように目を光らせていました。
結局、幸いなことに町長と対面することはありませんでした。もし、誰もいないところで、パッと鉢合わせするようなことがあったら、間違いなく殺
っとったでしょう・・・」
矢竹氏の異変に気付いた加藤氏は、社長の立場から町長の〝暗殺計画″を打ち切らせ、警備犬の仕事から外したという。加藤氏がこう振り返る。
「矢竹をそのまま放っておいたら、ほんまに町長を殺っとったと思います。それほど、事業の拡大に懸命になっていましたからね。
Kは高浜原発内で〝原発の天皇″と呼ばれるほどの実力者で、関電が発注する高浜の仕事は彼が牛耳っていました。Kの言うことを聞けば、事業は拡
大できたかもしれません。しかし、われわれの仕事は警備であって、町長を殺すことではない。首根っこをつかむようにして、矢竹を高浜から引きずり出したんです」
加藤氏の説得でようやく矢竹氏は、木刀から手を離した。ところが、K氏の〝暗殺指令″がこれで終わることはなかった--。
◆テープに録音された執行役員の発言
MOX燃料のデータ改竄事件のほとぼりもさめた04年3月、関電のプルサーマル計画がようやく再開されたが、わずか半年で暗礁に乗り上げる。同年8月、美浜原発で死者5名を出す大事故が起こったのだ。今井町長は再びプルサーマル計画への態度を硬化させ、関電のプルサーマル計画は白紙撤回
された。
この頃、K氏はすでに福井県美浜町にある若狭支社(現『原子力事業本部』、三つの原発を統轄する)の副支社長に昇格していたにもかかわらず、加藤氏に対しても露骨に町長の〝暗殺″を命じるようになったという。前号で報じたとおり、「標的」であった当の今井町長もまた、その〝暗殺計画〟
を認識している。
「実行者」も「標的」もその存在を認める〝暗殺指令″について、関電は、「(〝暗殺〟を)指示したのか確認したところ、K本人は否定しました。
当時の上司と部下にも確認しましたが、誰も認識していません」(広報室報道グループ・島田佳明報道課長)
と回答した。しかし、これは、事実に反する。
関電の執行役員が、K氏による〝町長暗殺計画″を認めていたというのだ。矢竹氏が事の経緯を解鋭する。
「ワシは06年7月中旬に、福井県美浜町にある関電の原子力事業本部を訪ねて、執行役員と面会し、直談判に及びました」
その場に立ち会った関電側の人間は、原子力事業本部に所属する執行役員のA氏と部長2名(写真左下はその名刺)だった。
「A執行役員に、Kの〝暗殺指令〟について、洗いざらいぶちまけたんです。そのうえで、「ワシらの本業である警備犬事業が結局、Kによってまっ
たく違った方向に行ってしまい、尻すぼみになったことを会社として認めて、謝罪して下さい』とお願いしました」
矢竹氏に対する回答があったのは約2週間後。矢竹氏は7月31日に再び原子力事業本部を訪れ、A執行役員ら前出の3名と面会した。ここでのやり取りを矢竹氏はテープに録音している。その一部を再現しよう。
A 事実関係を調査した結果、そのようなこと(K氏による高浜町長〝暗殺計画〟)はあったようです。しかし、それはあくまでK個人がやったこと。
矢竹 Aさん、それは、あなたの考えですか?それとも関電としての答えですか?
A 関電としての答えです。矢竹さん、一つ言っておきますが、この件について、今後K個人とどのような話をしてもらってもええです。しかし、関
電には受付の窓口はありません。
矢竹氏がこう憤る。
「まったく無茶苦茶な論理じゃないですか。Kによる〝暗殺計画〟を事実として認めながらも、会社としてはまるで関係ない、だから会社として謝ら
んと言いよったわけです」
この面談の結果を矢竹氏から聞いた加藤氏も憤りのあまり、直談判に及んだ。
「ワシがA執行役員ら3人に会ったのは、8月7日のことです。しかし、私が聞いても彼らの答えは同じでした。平たくいえば『K個人がやったこ
と』、そう言うだけです。関電として事実関係は認めても、Kの言動について『会社の意向でした』とは口が裂けても言えんのやろうね」
◆関電側が提示した姑息な〝懐柔策〟
それだけではない。その場で関電は加藤氏に、姑息ともいうべき〝懐柔策〟まで提示したというのだ。
「A執行役員は、私にこう言いました。『(関電と)ダイニチさんとは、固い絆で結ばれると信じております。だから、これからも私どもとのお付き合いをお願いしたい。私の部下とこれからのことをなんなりと話し合って下さい』と。Kのことは脇に置いて、警備犬事業はこれからも続けてくれというわけです。それを聞いて、ワシは怒るよりも『この件を暴露されると困るから、懐柔策に出てきよったな』と呆れました。ワシは『御社との仕事は、一切お断りします。警備事業も何もかも全部こちらから止めさせてもらいます』と言いました。結局、関電側は今まで一度も誠意ある態度を示していま
せん」
加藤氏の直談判から約8ヵ月後、K氏は定年を前に関電を退職したものの、現在、関電の100%子会社の部長職に収まっている。本誌は直接取材をみたが、K氏は3月10日から「私用」を理由に会社を休み、いっさい取材を受けようとしない。
そこで、再び関電に問い質したが、
「当社が(Kが〝暗殺〟を指示したと)認めるような発言をするはずがありませんし、そのような事実はありません」(前出島田課長)と答えるのみだった。
K氏を庇(かば)い、〝暗殺指令〟を揉み消そうとさえした関西電力。日本を代表する電力会社として、その責任はあまりに重い。
週刊現代
http://www.gns.ne.jp/eng/g-ken/igiari/obj_335.htm
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