原発事故は国民の責任でもある！菅原文太／哲学者・高橋哲哉「原発は犠牲のシステム」再稼働は日本の命運の

原発事故は国民の責任でもある！

菅原文太氏／哲学者・高橋哲哉氏

「原発は犠牲のシステム」

再稼働は日本の命運の分かれ道！

ＮＨＫ映像フアィルあの人に会いたい 2015・2・14より

河北新報オンラインニュース
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201502/20150220_11018.html

＜神話の果てに＞事故の責任　国民にも／第１６部・私の視座（２）高橋哲哉氏

福島の事故時、『東日本の壊滅』という最悪の事態も想定された。

もはや犠牲の押し付けや正当化は許されず、

それらを土台とした国策を見直す時期に来ている。

原発をどうするかは、一つの試金石となるだろう！

＜犠牲の上に利益＞＜個人の反省必要＞

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＜神話の果てに＞事故の責任　国民にも／

第１６部・私の視座（２）高橋哲哉氏

河北新報オンラインニュース

「原発の犠牲のシステムを止めるべきだ」と指摘する高橋氏

＜個人の反省必要＞

　福島第１原発事故の責任の所在は、どこにあるのか。東京電力と国の無策、不作為だけに帰結させることなく、「現代日本の多くの国民が幅広く責めを負っている」と唱える。

　例としてナチスに対する考察を挙げる。ドイツの哲学者ヤスパースは刑法上、政治上、道徳上などの罪があるとする一方、為政者を支持した国民にも政治的な罪を認めた。

　「程度の違いはあるが、原発事故についても同様の見方ができる。原子力政策を支持してきた有権者も責任は免れない」

　積極的に賛成しなかったにせよ、無関心が黙認と同義となることもある。「主権者として国策に関わったという個人の反省がなければ、原発をめぐる議論は前に進まない」と力を込める。

　福島県で生まれ、育った。「原発のリスクを甘く見ていたし、首都圏では豊富な電力による便利な生活を享受してきた」。刺激的な言動は深い自省に基づいている。

＜犠牲の上に利益＞

　哲学者としての視座は悲劇を招いた背景にも及ぶ。たどり着いた答えが「犠牲のシステム」だった。

　「もともとは沖縄県に米軍基地負担を集中させる日米安全保障体制を想定した概念。特定の人の生活、財産の犠牲の上に人々の利益が生み出され、維持されていく構図は原発と共通している」

　踏みにじられるのは被災自治体や周辺地域だけでは済まない。燃料となるウランの採掘現場の環境は汚染され、平常時でも原発作業員の被ばくは避けられない。

　「何より、１０万年を要するともいわれる放射性廃棄物処分の問題がある。現役世代にとどまらず、将来にわたって負担が続く」。エネルギーの安定供給といった利益の裏側に目を凝らすよう訴える。

　基地反対という沖縄の民意は国に届かず、多くの懸念をよそに原発再稼働の手続きが進む。いったん確立されたシステムは強固で、容易には崩れない。

　「福島の事故時、『東日本の壊滅』という最悪の事態も想定された。もはや犠牲の押し付けや正当化は許されず、それらを土台とした国策を見直す時期に来ている。原発をどうするかは、一つの試金石となるだろう」

［たかはし・てつや］福島市出身。東大大学院博士課程単位取得。南山大講師などを経て、２００３年から東大大学院総合文化研究科教授。５８歳。

河北新報オンラインニュースより
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201502/20150220_11018.html

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