浅田真央は私のスケート概念を変えた!
タラソワが浅田に伝えた熱き魂…
私の小鳩よ、頑張るのよ…頑張るのよ
ソチ五輪フリー
力を奮い起こしなさい。
私のかわいい真央、さあ、行くのよ。真央…
「小鳩」はロシア語で両手で包みたくなるような
「いとおしい女の子」を意味する。
タラソワは語った…
男子のような演技をする真央は、
私のスケートの概念を変えてくれた…
ゲンダイネットより
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/140512/oth14051208550005-n1.htm
「真央は私のスケート概念を変えた」
タラソワが浅田に伝えた熱き魂
2014.5.12
ソチ五輪で浅田真央(手前)を見守るタチアナ・タラソワ氏(上中央)=2月19日、ロシア・ソチのアイスベルク・パレス(大里直也撮影)
「私の小鳩よ。頑張るのよ。頑張るのよ」。
2月20日に行われたソチ五輪フィギュアスケート女子フリー。
リンクに登場したまな弟子、浅田真央(23)の姿に、
地元テレビ局の実況席にいたフィギュアスケートコーチ、
タチアナ・タラソワ(67)は、絞り出すような声で心の底から呼びかけた。
「小鳩」はロシア語で両手で包みたくなるような「いとおしい女の子」を意味する。
この表現に、浅田に対するタラソワの思いが全て凝縮されていた。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。浅田と一緒に選んだ曲目だった。
2人の絆は、コーチと選手の間柄で臨んだ前回大会にまでさかのぼる。
タラソワ自身、日いづる国に現れた天才少女のことは、10年以上前から知っていた。
ソチでは、フリーの演技の振り付け役となった。
ロシアフィギュアスケート界の重鎮が、自国初の冬季五輪で、
直接の師弟関係にない外国人選手に関わることには物議があった。
しかし、昨年夏に直接、頼みに訪れた
「真央の真摯(しんし)な気持ちを断ることはできなかった」。
前日のショートでの失敗にタラソワは言葉を失った。
浅田がこの4年間、つらい練習に耐え、どれだけソチ五輪にかけてきたかを知っているからだ。
演技直前、タラソワは静かにつぶやいた。
「力を奮い起こしなさい。私のかわいい真央、さあ、行くのよ。真央…」
演技の冒頭、真央が代名詞のトリプルアクセルを見事に決め、
次々にジャンプをこなすと、タラソワの声は一気に明るくなった。
自らが教えた世界最高峰の舞いを、氷上の浅田は余すところなく体現していた。
タラソワはいつの間にか席から立ち上がっていた。ただ拍手していた。
エンディング。大粒の涙を流す浅田を前に、次から次へ感謝の気持ちが口をついて出てきた。
「真央。本当にありがとう。よくここまで仕上げたわね。
あなたは素晴らしいスケーターよ。自分に打ち勝ったの」
そうして、2人の2度目の五輪は終わった。
ラフマニノフの旋律と4分間の華麗なドラマを、世界中のファンの記憶に残して。
タラソワは冬のスポーツ大国が生み出した申し子だ。
父親のアナトリー・タラソフはソ連時代、何度もアイスホッケーの代表チームを世界一に導いた名将。
人々はその栄光時代を今も懐かしむ。
ソチ大会前には五輪を盛り上げるため、鬼コーチのタラソフをモデルにした映画が作られたほどだ。
タラソワも父に連れられ、4歳のころからスケート靴を履いた。
自身はフィギュアスケートのペア競技の選手。
世界選手権などで上位に入る実力の持ち主だったが、ケガがひびき、10代で現役を引退した。
指導者として初の五輪は1972年の札幌。25歳だった。
選手に寄り添い、熱心に指導する姿が評判になった。
父の写真が飾られているモスクワ郊外の別荘の応接室で、タラソワがコーチの極意をこう語ってくれた。
「父は『教え子が優勝を逃したら、全てはコーチの責任』と常々、言っていた」
タラソワが数々の世界王者を生み出したのは、五輪を戦い抜いた父の薫陶を受けたからこそ。
そして、北の大地で育まれた名門一家の「氷上の熱き魂」は、浅田を通じて確実に日本にも伝わった。
タラソワも「男子のような演技をする真央は、
私のスケートの概念を変えてくれた」とも語る。
半世紀以上もリンクの上で過ごしてきた名伯楽の言葉は重い。
タラソワから浅田へ。そして、浅田から次の世代へ。
フィギュアスケートの情熱はまた継承されていき、
そのドラマは再び世界中の人々の心を打つのである。(モスクワ支局長 佐々木正明)
ゲンダイネットより
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/140512/oth14051208550005-n1.htm
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タラソワが浅田に伝えた熱き魂…
私の小鳩よ、頑張るのよ…頑張るのよ
ソチ五輪フリー
力を奮い起こしなさい。
私のかわいい真央、さあ、行くのよ。真央…
「小鳩」はロシア語で両手で包みたくなるような
「いとおしい女の子」を意味する。
タラソワは語った…
男子のような演技をする真央は、
私のスケートの概念を変えてくれた…
ゲンダイネットより
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/140512/oth14051208550005-n1.htm
「真央は私のスケート概念を変えた」
タラソワが浅田に伝えた熱き魂
2014.5.12
ソチ五輪で浅田真央(手前)を見守るタチアナ・タラソワ氏(上中央)=2月19日、ロシア・ソチのアイスベルク・パレス(大里直也撮影)
「私の小鳩よ。頑張るのよ。頑張るのよ」。
2月20日に行われたソチ五輪フィギュアスケート女子フリー。
リンクに登場したまな弟子、浅田真央(23)の姿に、
地元テレビ局の実況席にいたフィギュアスケートコーチ、
タチアナ・タラソワ(67)は、絞り出すような声で心の底から呼びかけた。
「小鳩」はロシア語で両手で包みたくなるような「いとおしい女の子」を意味する。
この表現に、浅田に対するタラソワの思いが全て凝縮されていた。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。浅田と一緒に選んだ曲目だった。
2人の絆は、コーチと選手の間柄で臨んだ前回大会にまでさかのぼる。
タラソワ自身、日いづる国に現れた天才少女のことは、10年以上前から知っていた。
ソチでは、フリーの演技の振り付け役となった。
ロシアフィギュアスケート界の重鎮が、自国初の冬季五輪で、
直接の師弟関係にない外国人選手に関わることには物議があった。
しかし、昨年夏に直接、頼みに訪れた
「真央の真摯(しんし)な気持ちを断ることはできなかった」。
前日のショートでの失敗にタラソワは言葉を失った。
浅田がこの4年間、つらい練習に耐え、どれだけソチ五輪にかけてきたかを知っているからだ。
演技直前、タラソワは静かにつぶやいた。
「力を奮い起こしなさい。私のかわいい真央、さあ、行くのよ。真央…」
演技の冒頭、真央が代名詞のトリプルアクセルを見事に決め、
次々にジャンプをこなすと、タラソワの声は一気に明るくなった。
自らが教えた世界最高峰の舞いを、氷上の浅田は余すところなく体現していた。
タラソワはいつの間にか席から立ち上がっていた。ただ拍手していた。
エンディング。大粒の涙を流す浅田を前に、次から次へ感謝の気持ちが口をついて出てきた。
「真央。本当にありがとう。よくここまで仕上げたわね。
あなたは素晴らしいスケーターよ。自分に打ち勝ったの」
そうして、2人の2度目の五輪は終わった。
ラフマニノフの旋律と4分間の華麗なドラマを、世界中のファンの記憶に残して。
タラソワは冬のスポーツ大国が生み出した申し子だ。
父親のアナトリー・タラソフはソ連時代、何度もアイスホッケーの代表チームを世界一に導いた名将。
人々はその栄光時代を今も懐かしむ。
ソチ大会前には五輪を盛り上げるため、鬼コーチのタラソフをモデルにした映画が作られたほどだ。
タラソワも父に連れられ、4歳のころからスケート靴を履いた。
自身はフィギュアスケートのペア競技の選手。
世界選手権などで上位に入る実力の持ち主だったが、ケガがひびき、10代で現役を引退した。
指導者として初の五輪は1972年の札幌。25歳だった。
選手に寄り添い、熱心に指導する姿が評判になった。
父の写真が飾られているモスクワ郊外の別荘の応接室で、タラソワがコーチの極意をこう語ってくれた。
「父は『教え子が優勝を逃したら、全てはコーチの責任』と常々、言っていた」
タラソワが数々の世界王者を生み出したのは、五輪を戦い抜いた父の薫陶を受けたからこそ。
そして、北の大地で育まれた名門一家の「氷上の熱き魂」は、浅田を通じて確実に日本にも伝わった。
タラソワも「男子のような演技をする真央は、
私のスケートの概念を変えてくれた」とも語る。
半世紀以上もリンクの上で過ごしてきた名伯楽の言葉は重い。
タラソワから浅田へ。そして、浅田から次の世代へ。
フィギュアスケートの情熱はまた継承されていき、
そのドラマは再び世界中の人々の心を打つのである。(モスクワ支局長 佐々木正明)
ゲンダイネットより
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/140512/oth14051208550005-n1.htm
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